赤城 改装前(Akagi 1932, Hasegawa 1/700)
























 赤城、加賀の飛行甲板が竣工時に三段だったことは有名ですが中学生の時に初めてその写真を観たときは「うわぁ!」と驚いてしまいました。「丸スペシャル」の赤城、加賀を買い、その中に発見した三段甲板は前年(だったと思う)TVでみたガミラス空母よりも(実在したので当然ですが)圧倒的な存在感を出していました。そこで何とかこの空母を作ってみようと思い、大改装後のキットを買って本の写真とにらめっこ。連装20cm主砲はすでに作ってあった航巡・最上のキットの余りが使えるなとか、前部格納庫のパーツを使わなければ良さそうだ、とか色々考えたけど、あまりに作り込む部分が多すぎて最上部甲板を切り出したところで断念。プラモ作りを再開し、WLシリーズを作り始めたときからリベンジを考えていました。


 今ではレジンキットで販売されているけど高価だし、レジンは経年変化で反りが出やすく折角作った赤城の甲板が剥がれたりしたら泣いてしまいます。それに専用キットとはいえパーツ合わせなど結構手を入れないときちんと完成しないと思うと、ハセガワの大改装後キットをベースにスクラッチするのも大して作業量は変わらないかも。幸いモデルアートのバックナンバーで衣島氏の改造記事も手に入ったので作業を決断しました。赤城は竣工後、昭和13年の大改装終了までに数回の小改装を受けています。今回スクラッチするのは昭和7〜8年頃の姿。理由は縦張り式着艦制動装置が横張り式になり再現が比較的簡単なこと、仮設艦橋の取り付け前で三段式飛行甲板の格好良さが損なわれていないことです。


 まずはキットの船体を衣島氏の記事の指示通り切り出し加工。


 しかし丸誌の写真からは後部艦舷付近は開放のように見えます。赤城の大改装後断面図から最下部格納庫と後部甲板は同レベルと判断。いつものごとく飛行甲板はもちろん、今回は合いの悪い艦底もキットパーツは使わずプラ板から加工する予定。結局キット部品は写真の船体のグレー部分と艤装の一部パーツだけになりそうです(--;。


 船体後部の開放部付近のスクラッチです。大改装で航空甲板が一枚になっても、船体内部に大きな改装はされなかったと判断して、大改装後の断面図から推定しながら格納庫とエレベータを製作しました。エレベータ両脇は後部甲板からが同一レベルでつながり、さらに艦首側は一段高くなって内火艇置き場になっています。後部甲板は下段格納庫と中段格納庫の中間の高さです。



 全ての甲板をスクラッチしたところです。上部飛行甲板の遮風板は結構幅があり、この部分で折れないようにするの気を遣います。


 甲板を重ねると早くも完成形が見えてきます(^^。大改装後に比べて艦橋はシンプルだし、25mm機銃は無し、アンテナは右舷のみ、落下防止網も無し。甲板のマーキングも日の丸、「ア」無し。大改装後赤城の製作の時も船体はスクラッチだったので、こちらのほうが構造物などが少ない分、作業量も少なくて楽そうです(^^。


  三段の各飛行甲板と後部格納庫部品を塗装しました。中段の飛行甲板の塗り分けは丸スペシャル誌の写真から前端が鉄甲板と判断したら、レジンキットの作例を見ると木甲板になっています。参考にした写真がたまたま他の段の甲板と色が違って見えたので鉄甲板にしてしまったのです(--;。
 エレベータは予め軍艦色で塗装してあるプラペーパーを切り出して貼り付けることにします。この塗装済みプラペーパーは塗装後にディテールを追加する際に重宝するのでいつも用意してあります。


 色合いを少しずつ変えながら面相筆で木甲板を塗り分けていきます。加賀の時はテープでマスクしながらブラシ掛けしたけど、よほど近くで見ないとはみ出しは分からないし、一枚ごとの板色の違いは遠目では目立たないとの判断。


 今回は甲板の白線にデカールを試してみました。作業量としてはマスクしてブラシするよりも少ないけど、細いためか甲板への密着がイマイチで仕上がりはブラシのほうが上かも。


 艦橋横と左舷の見張り所のようなものを再現。艦橋付近は完成するとほとんど見えなくなるので大体の形状を表現するだけにしました。といってもこの部分の写真が無く、当時の加賀の艦橋部写真から形状を推定しています。


 主砲塔上にエッチングの手摺りを取り付けました。上部甲板と干渉しやすいので背の低い三段手摺りの2段分を使っています。


 下部甲板の格納庫付近にも同様な見張り所らしきものがあるようなので同じ形状で作ります。丸いプラ棒の上にエッチングメッシュを使った窓枠を載せ、丸く打ち抜いたプラペーパーで天井部を覆いました。


 円材置き場に丸いプラ棒で作った木円材をおくと色的に良いアクセントになります。


 大改装後赤城の製作の時は飛行甲板後部裏に三段甲板時の名残の甲板を取り付けたけど、今回はその名残甲板のみなので作業が楽です。あまり見えない部分なのでそれらしく見える程度で仕上げてお終い(゜o゜)\バキ。


 主煙突は中央を5mm程切りつめ、プラ棒とプラ板を組み合わせて製作した副煙突を取り付けます。エッチング手摺りで再現したジャッキステーはひん曲がっていますが気にしません(゜o゜)\バキ。


 無事煙突が取り付けられ大分完成に近くなりました。


 飛行甲板に取り付ける兵員待機所の製作です。0.5mm厚プラ板の床にプラペーパーの囲いを取り付けます。端の部分から少しずつ接着していきます。


 昭和7年当時の艦載戦闘機は九〇式艦戦だと思いますが、ノースポートに行ったときにホワイトメタルの一〇式艦戦を確保できたので使ってみました。艦攻は一三式艦攻だと思うので、似たような形状の九四式水偵(WLシリーズのアップグレードパーツ)のエンジン部分を角状に削り、エッチングトラスの支柱をつけました。九七式艦攻は友情出演(^^;。


 機体番号もヘロヘロな字ですが手書きで記入。