加賀 (Kaga, Hasegawa 1/700)


















































 ウォーターラインシリーズの第二弾は空母加賀に決定。運良くエッチングパーツ付きのスーパーディテール(SD)キットを確保。空母は他に赤城も作りたくてやはりSDキットを探しているけど何年も前のキットで在庫は見当たらない。気長に探そうと決心して加賀の組み立てに取りかかりました。(その後ハセガワから赤城専用エッチングパーツの別売りが出ました。他にエデュアルドからも専用エッチングパーツが出ていることがわかり、通常キットでもSD以上のディテールが楽しめそうです。)


 お約束の仮組み。金型が古い割にはパーツの合いは良さそうだけどやはり修正が必要です。一番の問題は甲板の凸モールド。木目はまだ許せるけど中心線などの白線までごつい凸モールドでは塗装もままならない。裏に梁が入っている部分は引けがあるので修正が必要。こんな時は全て平らになるようにペーパー掛けして木目をけがき直すのが一般的だけど、沢山の木目を平行にケガキきる自信はありませんでした。


 そこで使ったのがたまたま画材屋で見つけたエバーグリーンの木目プラ板。0.5mm幅のモールドが入った厚さ0.5mmのものです。これを木目甲板の形に収縮継ぎ手毎に切り出しました。鉄甲板部分は通常の0.5mm厚のプラ板です。


 中央エレベータ付近のアップです。遮風板の部分を切り抜いています。エレベータは閉じたままの固定として内部ディテールは省略(゜o゜)\バキ。従って最後に甲板上にプラペーパーを貼るだけにします。


 最後部以外の甲板を一枚に合わせたところです。


 裏側に厚さ0.3mmのプラ板を貼っています。船体の形状に合わせて切り出してあるのでキットの甲板よりぴったりとはまり込んでくれます(^^。この型を取るために船体の梁を切り取ってしまいました。木甲板と鉄甲板を合わせたら周囲に細いプラ板を貼って鉄甲板部を再現しました。


 甲板裏のトラス梁を貼っているところ。


 見えるところは密に、そうでないところは手を抜いて(^^;。しかしトラスの貼り方はいまいちそれらしくないぞ(--;


 後部甲板裏も同様にトラスを貼りました。ちょっと歪んでしまったけど見えるところではないので修正は無し(゜o゜)\バキ。スリットは収縮継ぎ手部分です。色違いになるので塗装後に塗り分けたプラ棒(糸?)をはめ込みます。


 鉄甲板部のケガキをしてほぼ作業は終了。エレベータ部分は塗装後にプラペーパーを貼って再現するので裏から接着剤を流し込むための穴を開けておきました。


 左舷スポンソンを外側にずらして取り付けるために隙間をプラ板で埋めました。


 上下に分かれた船体部を貼り合わせます。仮組みすると艦底部の前後が浮いてしまうので修正しなくてはなりません。熱を加えたりペーパー掛けを考えたけど、上下船体パーツの貼り合わせ時にパーツをずらすことで対応しました。まず船首側のみ接着し、乾いたら船尾側の下パーツを浮きを矯正するように曲げながら接着します。結構力がいるため輪ゴムやテープでは押さえきれず、乾くまで手で押さえてじっと我慢(--。


 艦底パーツも結構反っていたのでプラ板を貼ってからクサビを打って矯正。でも船体に貼ったら矯正されちゃうので無駄な作業だったかも(--;。


 外から見えそうな舷側内部の通路は甲板と同じ木目プラ板で作ってみました。


 上下船体の合わせ目がしっかり消えているかサフ掛けして確認。


 スポンソン支柱が短いのでパテ盛りして成形。ヤスリ掛けで船体を傷つけないようにマスキングテープで養生。タマにこれをサボって泣くことがあります(^^;。


 スポンソン類はすべて切り取ってしまったので完全に作り直しです(--;。船体には鉄板の溶接痕を表現するためにデザインナイフでケガキました。塗装すると埋もれて落ち着くことを期待。


 後部機銃座は延長してエッチングの滑り止めを貼りました。本当は3mmくらいの延長で良かったのに5mmも伸ばしてしまい後で気づいて真っ青。幸い全ての舷側パーツを切り取っていたので少しずつずらして取り付けて誤魔化します(゜o゜)\バキ。


 調子に乗って滑り止めを各スポンソンに貼ってしまいました(^^;。

 いよいよ飛行甲板の塗装です。まずはサフ掛け。


 サフが乾く間に艦首、艦尾の中甲板の製作。0.3mm厚のプラ板にエッチングの滑り止めを貼って薄く仕上げました。裏側にはプラ棒の簡単な梁とエッチングトラスで支柱を表現。船尾用の甲板にもこの後に手すりを追加しました。


 飛行甲板と艦首の木甲板部をデッキタン、艦尾はリノリウムで塗装。


 三隅の消磁電路は0.5mm角のプラ棒を貼っただけだったけど、今回は電路押さえも表現することにしました。消磁電路用に0.3mm角のプラ棒を並べ、電路押さえ用にプラペーパーの細切りを格子状に貼り付けます。


 プラペーパーを格子間で切って一本ずつの電路にします。


 船体に貼り付け、電路押さえをピンセットで挟んで形状を整えます。船体に穴を開けて金属線で押さえるよりも工数が少なく現物に近い感じになったかなと自己満足(゜o゜)\バキ。


 鉄甲板や木甲板をトーンの違う色で塗り分けました。鉄甲板は呉、佐世保、舞鶴の各色に黒やタンを少し混ぜだ物を使いました。木甲板はタンにリノリウム色や船体色ごく少量混ぜています。


 こんな感じで3回ほど少しずつ色合いを変えて塗り分けています。


 プラペーパーをエレベータの形状に切りました。


 エレベータの色は船体色を濃いめに調色。


 甲板の表からテープで仮止めし、予めピンバイスで開けておいた穴に裏側から接着剤を流し込みます。


 ホーサーリールはピットロードのパーツを使用。他のキットでも使うので多めに塗装しておきました。


 パラベーンと共に要所に取り付けます。


 後部の中甲板を取り付けました。飛行甲板を支えるトラスはキットのエッチングパーツを取り付けます。ところが右舷のパーツが四次元入り(;_;)。仕方なくファインモールドのエッチングトラスを組み合わせて代用しています。


 舷側の内部通路は床をタン色、壁は船体色で塗装して取り付けました。


 飛行甲板の白線と日の丸は塗装で表現します。


 直線と点線を描くためにマスキングしたところです。作例によっては初めに白を塗装してから甲板色を塗装する場合もありますが、今回は実物と同じ手順にしました。というのは木甲板のマスクを何回もすると点線のマスクが剥がれることを懸念したから。


 先駆者の森田さんのアドバイス通り、サフと白塗料はためらわず全体にまんべんなく吹き付けました。お陰様でくっきりと白線を表現できました(^^。


 マスクを剥がしたところ。スジ堀に毛細管現象で回り込みが出るけど後でスミ入れするので気にしません。


 白丸を描くためのマスク作成中。マスキングテープにサークルカッターで二重に切り込みを入れ、セロハンテープを貼ってから白丸線部分を取り去ります。


 甲板に位置決めして貼り付けた後セロハンテープを剥がします。


 飛行甲板後部の紅白の線も同様にマスキングします。カッティングマットに貼ったマスキングテープに切れ目を1mm間隔に入れ、セロハンテープを貼ってバラバラにならないようにマットから剥がします。甲板に貼ってから一つおきに剥がして白部分のマスクにします。


 同様に日の丸と風向確認線を塗装したところです。この後スミ入れすれば飛行甲板の塗装終了。


 舷側の砲塔は防水キャンバスをパテで再現。プラ糸を砲塔周囲に貼って溶接継ぎ目?としました。


 WLシリーズを作っていて憂鬱な作業がランチやカッターの塗装。これはほとんどの艦船について回る呪縛のような物(゜o゜)\バキ。そこで今回最上(もがみ)の分や余っているパーツも併せて一気に塗装することにしました。船底にはパーツ外し用の突き出し穴が付いているのでパテで埋めます。特にカッターをボートダビットにつり上げる場合には目立つのできちんと処理しました。


 合計で45隻です。ほとんど意地になってやってしまいました(^^;


 ここにきて甲板の白線にマスクが足らなかったことに気づきました(;_;。エレベータ部の細い白線はもっと短いのが正解なんですね(--;。


 この先汚し塗装をするのであまり仕上がりに拘らずにタッチアップで修正(゜o゜)\バキ。


 着艦制動装置はFineMoldのエッチングパーツ。横索は直径0.074mmのハリス(0.2号)を使用。


 これで甲板部は完成(^^。


 後部甲板の裏。キット付属のエッチングクレーンに併せてトラス柱もファインモールドの汎用パーツで組みました。


 艦尾中甲板に大量に作ったボートの一部を据え付け。


 艦首中甲板には13mm機銃はファインモールドのエッチングパーツに置き換え。


 艦底部には三隈と同様に固定用のナットを組み込みました。重りはプラ板とアルテコパテで強力に固定。重りにはさび止め用にクリアを筆塗りしておきました。


 船底が付いたので今更ながら進水式?



 25mm連装機銃もやはりファインモールドのエッチングパーツです。立体感が乏しいので0.08mmの銅線をφ0.3mmの真鍮線に巻き、適当な長さにカットした物をラジエータ?として銃身に被せました。



 艦橋はほとんどフルスクラッチです。モデルアートのバックナンバーの衣島氏の記事は本当に参考になります。感謝!<(_ _)>


 仕上がりが雑な部分が残っていますが、かなり疲れてきているのでこれで良しとします(゜o゜)\バキ


 甲板に取り付けるといよいよ空母の雄姿ができあがります(^^。


 探照灯は透明パーツを使ってみました。まずガラス部分になる箇所にマスクゾルを塗ります。この後シルバーを塗って反射鏡を再現します。


 最後に艦艇色を塗ってマスクを剥がします。小さいけどキラッと光ると存在感があります。


 船尾に主砲と機銃を取り付けたところ。


 カッターを取り付け船体は完成。白いボート押さえ用の布帯はプラペーパーの切り出しです。


 最後にアンテナ線を張ろうとしているところです。細い線がよく見えないし、腰を曲げたままだと非常に辛いのでこの高さが必要。