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真空管アンプ HC-2SE (ADVANCE Audio)


 分類  真空管パワーアンプキット
 型番  HC-2SE
 開発社 アドバンス
 出力  3.5W+3.5W
 構成  ステレオシングル
 真空管 電圧増幅1段:12AT7 (GE) <- 12AU7 (RCA) <-12AT7 (EH)
     電圧増幅2段:6N1P (SOVTEK <- Svetlana)
     電力増幅段 :2A3 (RCA Gray Plates <- SOVTEK)
 周波数特性 18〜20k Hz (-1dB 1W) w/o NFB




 真空管で300Bと並んで人気なのが2A3。Professor-2を作ったのが去年の夏だから、そろそろほとぼりが冷めたと思い込み(^_^;、製作に着手。キットはアドバンス製で10年以上前の雑誌の記事にも載っている息の長い製品です。これに決めたのは回路がロフチン・ホワイトだからで、電力段との直結が2A3自体の素直な音色と相まって聴きやすい音を奏でてくれると期待したから。それと水永氏のサイトを見て、NFBやトーンコントロールの回路を入り切りして効果を確認したかったから。キットの割引販売もしていたので、ここから購入してみました。
 写真は仮組みして追加回路用のスイッチの配置を確認しているところ。


 キットにはB電源の立ち上がり遅延回路が付いているんだけど、水永氏のサイトを参考にして、さらにマニュアル操作スイッチ(赤ベース)を追加。位置は電源スイッチの近くのほうが、操作が一体化するので使いやすいと思ったんだけど、内部で配線の引き回しが長くなるのでこの位置は諦めて中央部に移動しました。


 NFBとトーンコントロールのスイッチ(緑ベース)の位置も散々悩みました。


 この時点ではB電源スイッチはまだ左側にしようと考えていて、穴開けしてしまいます。ところがNFBとトーンコントロールの回路は繋がっている部分があるので、スイッチが離れていると引き回しが長くなって不都合であることが配線時に気付きました。最終的には左側の2A3後ろのスイッチとB電源スイッチの位置を交換して配線しています。


 水永氏のサイトではオプションでコンデンサのグレードアップがあったので選んでみました。下のコンデンサはキット部品で上にあるのがそれぞれに対応するオプションです。


 電源の配線は基板方式です。右手前の角は配線時にNFB用のスイッチと干渉してしまったのでカットしました。


 B電源の遅延回路用の基板です。


 トーンコントロール回路用の基板です。


 電圧管のバイアスはラグ端子に配線する仕様。追加回路も乗せたのでマニュアル通りの配置ではありません。スイッチへの配線をしていたら引き回しが長くなったので、さらに配置を変えています(^_^;。


 6N1Pのソケット。密集しているので抵抗に熱収縮チューブを被せておいたほうが良かったかも。


 2A3のソケットはサブシャーシに取り付けて放熱効果を狙っています。ステンレスの鏡面が表側になったほうが良さそうだけど、ほとんど見えないので関係ないか(^_^;。


 電源トランスと出力トランスを取り付けたところ。配線材は撚っています。


 電源トランスはRコアです。6.3Vの配線材は黄色なのでYellowのYかとおもったらイエローのEですかね(^_^;。


 全ての部品を取り付けたのでこれから配線です。


 追加回路用のスイッチ周りの配線をいかに短くするかに難儀して、配線には丸一日掛かりました。さらに3回路分の入力やトーンコントロールがあるのでかなり込み入っています。


 配線が終わったので各ポイントの電圧をチェック。あれ?ヒーター電圧が無負荷だと2.7V程あるはずなのに低いぞ(?_?)。


 配線や半田付けを確認しても原因が全く分からないので、これはトランスが不良かテスターに原因があると判断。トランス不良だと面倒だなぁと思いながら、テスターを変えてみたら嬉しい表示が!(^_^。どちらも秋月電子で確保したテスターだけど、千円ほどの安物とちょっと高級版の違いだろうか...


 何カ所かのハンダ不良があったけど、無事に音出しまで完了したので、束帯で配線を整理しました。追加回路用スイッチ周りがひどい状態です(--;。あと基板だと配線作業が少なくなるけど、端子位置が固定されてしまうので自由度がなく、イマイチ思うように取り回しができないんだよね。


 トーンコントロールやNFBのスイッチ周りはプレ管に入力する前の信号なので、レベルが小さいためシールドが必須。各配線のシールド間を繋いでアースまで繋ぐため、かなり見苦しい状態です(--;。


 オプションパーツのオイルペーパーコンデンサ。抗酸化作用がありそうな名前です(^_^;。


 完成したところで記念撮影。追加スイッチ以外の外観はキットオリジナルの状態です。球は12AT7(Electro Harmonix), 6NP1(Svetlana), 2A3(Sovtek)です。


 Sovtekの2A3のヒーターはスプリング吊り下げ式。


 動作中のヒーターです。


 6N1Pのヒーターは結構明るくて、小さいのに存在感がありますね。


 B電源スイッチは中央にあって手が入りにくいので火傷に注意(^_^;。


 手前がトーンコントロール回路、奥がNFB回路の入切スイッチです。



 シャーシ全体が鏡面仕上げなので、文字や目盛りを見やすくするためか黒いアクリル製のパネルを使っています。



 Sovtekの2A3が妙に大きくて気に入らないので、RCA製を確保しました(^_^;。ついでに水永氏のサイトを参考に低μのプレ管12AU7(RCA)を用意。さらに6N1Pも別の会社のを探してSovtek製を確保してみました。トランスカバーはメタリックな暗緑色が気に入らなかったので、ツヤ消し黒をスプレーしたんだけど、これはステンレス鏡面のシャーシにマッチしない(--;。


 多少明るく、メタリックも入った方がマッチするかと思い、クレオスの黒鉄色をスプレー。この色はProfessor-2のシャーシに近くて見慣れていることもあり、お気に入り。


 サイドウッドも白っぽくて落ち着かないので、ニス塗膜をヤスリ掛けして剥がし、P800で使ったオイルステインを塗ってみました。


 渋くなった姿で記念撮影。


 やっぱ2A3はこのくらいのサイズが良いな(^_^。


 RCA製ってなんだか憧れちゃいます。かなり名前に弱いミーハーです(゜o゜)\バキ。


 このキットは3種の真空管を使っているのでバリエーションが多く、交換して違いを楽しむのに適していますね。ただ6N1Pは今のところ2社しか確認できていません。


 部屋を暗くすると6N1Pのヒーターが存在感を増します。


 こんな情緒は石アンプには不可能ですね(^_^。


 2A3のヒーターは交流点火なのでハムバランスを取ります。左の写真がバランスを大きく崩した時の左(上)と右(下)チャンネルのハム波形。右の写真はバランスを取った時。簡易的にオシロ波形で見ただけなんだけど、振幅は1mV以下。ボリュームを最大にしても、スピーカ(DENON SC-CX101, 86dB)からは間近に耳をつけても全くノイズが聞こえません(^_^。
 数十時間のエージング後に聴いた印象だけど、ノーマル状態でもクセの無い十分に聴きやすい鳴り方。トーンコントロールは高域低域共にニュートラルで良い。NFBを掛けるとゲインが落ちるので、音量を一定にするためにボリュームを回す必要があるけど、特徴的な音源を持っていないので音質的な違いはあまり感じられなかった(^_^;。トーンコントロールや一段目の増幅をスルーすると、かなりゲインが下がってボリュームを12時以上に回してもうるさくない。アンプを元気に鳴らしている感じがして気持ちが良い(^_^。球を変えても、回路構成を変えても上品な鳴り方を維持していて疲れないアンプです。


 プレ管の12AT(EH)を名前と見栄えで12AU7(RCA)に変えたけど、スピーカの能率があまり高くないのでμが1/3程だとイマイチ鳴りが良くありませんでした。そこでプレ管を12ATに戻すことにして、別のメーカーを探すことに。


 オーディオ専科の店主さんに相談したらこれを出してくれました。GE製の高信頼管とのこと。例によってEHとの音の違いは気がつかない(゜o゜)\バキ。将来、ある程度の部屋とスピーカが揃ったら体感できることを期待しています(^_^;。