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航空戦艦 伊勢 最終時(Ise 1945, Hasegawa 1/700)


























 大砲を持ちながらも艦載機を多く積んでいる帝国海軍ならではの船体は最上、利根とならび気になる存在です。ハセガワから伊勢型の戦艦、航空戦艦共に新金型が発売され、さらにはエッチングパーツ付きの戦艦がでたときに、次はエッチングパーツ付きの航空戦艦が必ず出るぞと我慢していたらやっぱり出ました。しっかし戦艦型や日向とのコンパチキット故に穴開けの下準備がたくさんあって面倒なキットです。特にエッチングパーツの取説は分かりにくい。当たり前の作業だけど仮組みはしっかりやらないとドツボにはまる危険あり。


 まずは船体を仮組みして隙間の具合をみます。左右分割式の船体はモールドがきっちり出るけど気をつけて接着しないとゆがみが出てしまいます。艦底、甲板を仮置きしながら少しずつ接着するといいでしょう。艦首の合わせ目に深い段差が出来るのでパテで埋めます。写真は船体、船底を組んでバラストを接着したところ。将来、飾りや収納時に船底をビス止めするためにナットを艦首、艦尾に取り付けてあります。今のところ手がけた艦のほとんどにこの加工をしています。唯一「最上」だけは一番お気に入りの艦なのに入れ忘れてしまいました(;_;)


 主砲塔は後ハメできるようにポリキャップを甲板裏に取り付け。タミヤのキットであまったものなどを流用します。ガンプラでは常識になったこの方法は他のジャンルではまだまだ一般的になりませんね。


 主砲身の角度を一定にするためにジャンクパーツなどを使って治具を作りました。といっても砲塔の軸が入るように箱状のパーツ(赤城のエレベータ)に穴を空け、プラ棒を接着しただけ。金属製の砲身は高価なので、今回はキットの砲身を使用。ピンバイスで穴を深くし、先端面が出るようにヤスリ掛けして出来るだけ精緻感が出るようにします。


 錨鎖はお約束でモールドを削り取り、極細チェーンに取り替えます。


 ほとんどのブルワークはかなり薄くて問題ないのですが、砲塔上のものは厚みが目立ちます。そこでニッパーで切り離してプラペーパーで再生。


 甲板構造物を製作。艦橋窓はすべてエッチングメッシュの切り出しに置き換えました。窓が沢山あるので、この作業をするとかなり精密感が出てきますね。主柱もモールドだといまいち見た目が悪いので別パーツに置き換えることに。しかし貫通箇所が長くて精度良く艦橋の床や天井に穴を空けるのが困難です。そこで金属線でなくプラ棒を使うことで多少の穴位置のずれも強引に押し込むことが出来ました(^^;。



 煙突回りの探照灯台のやぐらは付属のエッチングパーツです。これが結構複雑に折り込まなければならず、底面が面一になってくれません。強引に接着したら追加の支柱の長さも適当だったためか斜めになってしまいました(ToT)。煙突の左右から艦首にな斜めに向けて塀のようなものがありますが、なんとなく精緻感がないので薄いプラ板で作り直してあります。


 後橋支柱はエッチングパーツのヤードと質感を統一するため真鍮パイプに置き換え。モールドの支柱もプラ棒にしています。


 合わせて先端部分は真鍮線で再現。


 定説では飛行甲板はコンクリート張りで航空機軌条は埋め込まれているとのこと。いつもは三段手摺りの一段だけ使って軌条を再現することにしていますが、今回はモールドを削り取ってケガキを入れるだけにしました。この伊勢は最終状態で作るため、艦載機は無し。そこで艦載機用クレーンは使用しないとの判断で格納扉のみをプラぺーバーで強調しました。船尾機銃座のブルワークも分厚いので作り直しています。


 機銃以外の部品が揃ったので記念撮影。



 艦底、木甲板、飛行甲板、船体の順に塗装。伊勢は古い艦で、改装を重ねながらの最終状態のため、木甲板は白くするのを避けて茶系を多く混ぜてみました。コンクリート張りの飛行甲板は船体より若干白くしています。鉄板のエレベータとのコントラストで確認できますね。


 煙突頂部の黒、主砲芯基部の白(若干ベージュ)を筆塗りし、機銃や艦載艇を取り付けてほぼ完成。残すは仕上げの張り線作業です。


 後橋だけでも結構な本数を張ります。まるで蜘蛛の巣ですね(^^:


 伊勢には菊花紋章の取り付け版がなく直接船首につけられているようです。艦首のカーブに合わせられるようにギリギリまで薄くペーパー掛けして曲げてみました。


 菊花紋章を取り付けたところ。なんだか船体の仕上げの粗さや、手摺りの取り付けの汚さが目立っています(--;。言い訳ですが、このキットは船体の合わせ目の段差が大きく一回のパテ埋めではヒケが残ってしまうんです(ちなみにアルテコを使用)。でもヒケは溶接の跡という設定で(゜o゜)\バキ(伊勢ってリベットだっけ?)。それからハセガワのエッチングパーツの手摺りは糊代を折り曲げて使うため、真横から見ると糊代部の段が目立っちゃうんですよね。オマケに何度も角度を調整すると折り目で切れちゃうし(;_;)。段差をパテ埋めとか、糊代を切り取って支柱を立てればいいのでしょうが、そんなの面倒だもん(゜o゜)\バキ


 文句を言いながらもどうにか完成。遠目の写真では張り線作業前と変わりませんね(^^;。