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赤城 (Akagi, Hasegawa 1/700)
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帝国海軍の空母と言えば赤城と加賀は外せませんよね。子供の時に作った思い出深い艦の一つです。加賀同様に古い金型でこれだけの人気艦なら新金型を願っているファンも多いはず。キットを確保している身では新規金型がでる前に作り上げたいので起工。ただ赤城は同型艦が無く、小改装もされないまま沈んでしまったので商品展開が難しいのではと某プロモデラーの談(2004/6/7)。その後、最新技術でハセガワからリニューアルキットが、フジミからも新キットが発売され、専用エッチングをフルに使った超絶ディテールアップもできるようになりました(2014)。 どのようにディテールアップしようかとあれこれ模索していたら偶然にも幻のスーパーディテール版を確保できました。これにはエッチングパーツ(EP)とスポンソン支柱用の真鍮パイプ、艦橋に巻くホワイトメタルのマントレットが入っています。これで+1,000円は安い!実はEPは他にもエデュアルドのとハセガワが最近出したものも確保済み。遮風板の他にもかなりダブるパーツがありますが微妙に形状が違うので一番合うものを選んで使うことにします。なんと贅沢な工作(^^;。 年代は同時期仕様で完成した加賀と並べたいのでミッドウェイ海戦時に決めました。 まずは仮組み。甲板は加賀と同様にプラ板からスクラッチすることにします。他に表面を平らにペーパー掛けした後に木目をけがく方法がありますが、何本もの平行線をけがく集中力が私にはないので自ずとスクラッチしか選択肢がありません(--;。 底板との合いは最悪です。隙間は開きませんが段差が出来ます。船体下部も艦首、艦尾が反りあがっていて底板をつけても浮いてしまいます。そこで底板接着前に船体の中腹のバルジ付近をヤスリ掛けして艦首から艦尾にかけて面出ししました。底板接着後、船体との段差はパテとヤスリ掛けで滑らかにします。 前部格納庫と船体との間もすごい段差が。後部格納庫左舷もヒケがすごい。急がば回れでスポンソンを含め中甲板から上の船体モールドは全て撤去し、滑らかになるようパテ盛り&ヤスリがけ。 前部格納庫を接着すると作業しにくくなる部分を処理します。お決まりの錨鎖取り替えと予備錨置き場の新造。木甲板部らしき部分は木目をけがいてからデッキタンで塗装。 前部格納庫を取り付けてモールド撤去。艦首のフェアリーダーは加工中に引っかけて破損する恐れがあるので、ある程度工作が済んでから取り付けます。 前部格納庫にヤスリ掛けする時の強度アップのためにプラ棒で補強。 後部甲板にも錨鎖を追加。 左舷の高角砲座付近は奥行きが足らず、25mm機銃座は張り出しすぎているので奥に詰めます。高角砲座基部から舷側を一度切り離し、奥に詰めて再接着。これでスポンソン支柱の取り付け部裏にも通路が確保できます。高角砲座奥に上部甲板を支えるトラス支柱をEPめ、プラ板で壁を作り奥行きを稼ぎました。25mm機銃座部の壁はエッチングソーで切り取ってプラ板で塞ぎます。 なお、一連の赤城の改造はモデルアート'78/10〜'80/2に掲載された岡本好司氏の作図を参考にしました。 後部の搬入口のシャッターはエバーグリーンのスジ堀の入ったプラ板で再現。このプラ板は下記の木甲板でも使用。本来、このシャッター部はもっと狭く、左右に内火艇を置くようなスペースがあり、船尾からも段差無くつながっているようです。しかし左舷の加工に疲れて再現する気力が無くそのまま(゜o゜)\バキ。シャッター横の曲線状の舷側部は0.3mm厚のプラ板に置き換えて精細さを強調しました。 プラ板からスクラッチした甲板を途中まで塗装したところです。ここまでくるまで収縮継ぎ手の位置を間違えて前部エレベータ部や後部エレベータ部を計三度も作り替え(;_;)。木目の塗り分けはトーンの違うデッキタン+クリアオレンジ、クリアイエローで7,8種類の色を作り面相筆で適当に塗り分けました。 マスクを繰り返し白線、日の丸、「ア」を塗装。日の丸はもっと大きいのが正解かも知れませんが、ちょっと控えめのほうがバランスが取れるかなと思って小さめにしました。 左舷の目立つ箇所はこの円材置き場付近かと思います。円材置き場の中段はEPの丸穴帯板を貼って梁の雰囲気を出しました。上部の水面見張り所?の窓はメッシュを二段に切り出し、下段部を窓明きのプラ板に貼って固定してます。 25mm機銃のスポンソンは全てスクラッチ。最近は要領を得てきたのでキットのパーツを加工するより早く出来上がります(^^。ブルワークを薄く削ったり、余分な突起を削って跡を整える作業は仕上げが雑な性格には合っていないのも理由です(^^; 煙突支柱の加工は半田付け作業。真鍮って磨いてもあまり半田のノリが良くないので高橋ヤスヒコさんに聞いたら「ペーストを使えばOKですよ!」とのアドバイス。そういえば子供の時は使っていたけどヤニ入り半田を使うようになって全然見かけません。さっそく秋葉で確保して使ってみるとウソのように綺麗に半田がまわってくれます。まるでプロになった気分ですよ、ホント(^^; 半田付けがうまくなっても加工の荒さまでは改善されないようでジャッキステーは歪んでいます(--;。 船体にスポンソンを取り付けたところ。左舷後部のは採寸を間違えて奥行きが足らずプラ板で継ぎ足し(゜o゜)\バキ。 支柱もそれらしく。スポンソン裏側は最低限の梁を張っただけ。 高角砲のスポンソンはエデュアルドのEPに滑り止め柄のエッチング板で奥行きをかせぎ、プラ棒を加工した支柱を組み合わせています。トラス支柱は汎用のエッチングトラスを組み立てて表現。 右舷の高角砲はキットのパーツに少し手を入れています。 船尾の甲板支柱はエデュアルドのEPを使用。スクラッチした甲板に合わせて汎用EPのトラスで嵩上げ。支柱間は金属線で梁を再現しました。 船尾甲板裏のディテールアップ。三段甲板時代の甲板の上に新たな甲板を貼っていることを再現するためにEPトラスを挟んでプラ板を置きました。内火艇用クレーン軌道は適当に再現。U字、J字に切り出したプラ板の両側を丸穴の汎用EPで挟んでいます。エアブラシで塗装する際にブラシがまわりにくいことを懸念し、筆で下地を塗っていますが、サフを省略して塗りにくいため途中で断念(゜o゜)\バキ。 佐世保色で塗装を終え、重りを艦底に仕込んだところです。 艦橋は空母の構造物の中でとても目立ちます。赤城の艦橋は左舷にあり、私は全ての完成艦を左舷を手前にして展示しているので一層目が行ってしまいます。そこでかなり気合いを入れてスクラッチしました。 必要なパーツはモデルアートの折り込みにあった図面をデジカメで取り込み、トレースしたパーツを印刷してプラ板に貼って切り出しました。現物合わせて組んでいくよりストレスが無く、結果的に早く組みあがったと思います。 完成した艦橋を仮置きして記念撮影。まだ艤装や細かいパーツを取り付けていないけど、大分完成した姿が見えてきました。 船首の甲板裏って飾ったときに結構目が行くものです。そこで支柱を0.25mmの黄銅線で取り付けました。 すっかり加工を忘れていた右舷の水面見張り所?を艦橋が出来た勢いで作ってみました。 遮風柵を引き上げる索は手持ちのEPにあった滑車付きを流用。同じ長さ本数が少ないため長さはまちまちです(^^;。 カッターや内火艇は航空巡洋艦の最上を作ったときに作り置きしておきました。艦載機も加賀の艦載機と一緒に作ってあります。こういった小物をあらためて用意しなくて済むのは精神衛生上とても有効です(^^。 アンテナ支柱はエデュアルドのEPを利用。エデュアルド製は柔らかいので取り扱いには注意が必要です。アンテナ線は金属テグスを置くような感じで接着するので問題はありませんが、ナイロンテグスの場合は張力をかけると曲がってしまうかも知れません。アンテナ支柱の起倒用索はやはりRPを使用。 着艦索の持ち上げ装置はファインモールドのEPでは大きすぎる感じだったので、艦載機用のEPの車輪部分を流用しました。滑走防止柵もテグスと金属板の切り出しで作成しました。 甲板上の作業も全て終了したのでやはり記念撮影(^^。残すは艤装とアンテナ線張りです。 赤城の高角砲は10年式12センチ砲で他の艦よりも古い形式です。そこでキットの砲座にピットロードのパーツを組み合わせ、砲身は真鍮パイプに置き換えました。 主砲もキットの砲塔を使い、砲身はピットロードの20cmを接着。20mm機銃はファインモールドのEPを使用。銃身に極細スプリングを被せて放熱器を再現。 シールド付き高角砲もキットのシールド部に真鍮パイプの砲身をつけています。艤装を施したら落下防止網を取り付けます。写真では見にくいのですが、エデュアルドのEPは柔らかいので、先端が丸い金属棒で網の中心部を押してたわみを再現してみました。 マストを立て旗索を金属ハリスで10本垂らしました。艦橋から水平に出ているアンテナマスト2本もこの時に取り付けました。 艦橋からのアンテナの片端となる甲板側マストも同様に工作。 アンテナ線は鮎釣り用の金属ハリスを使っています。ナイロンと違って張力をかけなくてもまっすぐ張れるのでエッチング製のマストでも曲がらずに使えます。4本のアンテナ線が自然なたわみになるように支え用の紙を置いて張ります。 それらしく見えるように支線を何本か張りました。EPのプーリーをアンテナ線の起倒用として斜めに接着しています。 竣工記念に加賀と記念撮影。艦載機は加賀の製作時に赤城用も作ってあり、加賀に艦載してあったので晴れて赤城に移管(^^。 |