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The Spiegel





























































  昔から欲しかったキットにシュピーゲル号がありました。当時小学生にもなっていない私はプラモデルがあったことすら知らず。今ではコレクター価格で120万円!はなから諦めていたときガレージキットで1万5千〜2万円程度で販売されているとの情報。しかしメーカーなどが分かる直前にオークションであるモデルを手に入れることができました。相場より少し安かったけど、かなり古いキットで出来が良い方ではありません。説明書は無く部品数は5点。茶色に変色した箱にも何の記載もなく東映の承認証のみが貼ってあるだけ。しかも私はガレージキットは未経験。それでもキットの性格上どちらにせよ手を掛けなくてはならないので楽しみが多いと思い製作に入ることに。設定はビデオを見て自分なりに解釈しました。製作期間は3ヶ月以上に及び、途中かなり飽きてきましたが気晴らしをしながら何とか完成。仕上がりはあまり綺麗ではないけど手が掛かった分とても愛着のある作品です。




 さあ、これから始めるぞ!と意気込んでみたが実はガレージキットは初めて。しかもこれが全パーツ。説明書は無く、茶色に変色した箱にも何の記載もなく東映の承認証のみが貼ってあるだけ。こんなアバウトなキットなのにシュピーゲル号の資料なんて持っていない。そこでガレージキットの扱い方とシュピーゲル号の資料を集めることから始めることにしました。実はこれを始めたのは一月ほど前のこと。


12/29
 まずガレージキットをキーワードにネット検索。すると組み上げ型はプラモを丁寧に作るのとあまり変わらないことが分かりちょっと安心。大きく違うところは離型材落としと接着のコツくらいかな。ただ材質がスチロール系のプラモに対して硬いので削るのは大変そう。といわけで、まずは離型材落とし。クレンザーと中性洗剤を合わせて歯ブラシで磨いて水洗い。そして専用の離型材落とし剤に浸ける。1号機には容器にペットボトルを流用した。2、3号機はちょうど良い大きさのものがなかったので100円ショップでほぼ正方形のものを調達。ざる状の中容器も付いていたので中容器ごと浸け込み引き上げることができました。


 作業に並行して資料集め。ウェブを検索しても数枚の写真が見つかっただけでとてもディテールを作り込むことはできない。検索はこのキットを手に入れる前から試みていたけどまったくヒットしませんでした。そんな折り、東映のサイトでキャプテンウルトラのビデオが販売されていることが分かりました。定価は3,800円。60分のダイジェストと20分程度の製作後談が収録。秋葉原に調達に行くと1件目のLAOXで入手(^^v。このビデオから50カットほどキャプチャー。ただ3号機の合体面のカットがないため想像で作り込むことになりました。


 ビデオからキャプチャした写真をもとに製作プランを立ててみました。基本的にオリジナルのイメージを残し、ノズル回りなどはカンプラ用の改造パーツを流用するなど作製しやすいように解釈を加えることに。アイディアはあっても実際に加工が可能かどうかはトライアル&エラーの結果次第での判断。特にキャノピーと合体機構は大きな課題。キャノピーはできれば透明アクリルを加工して使いたいけど、どれだけ加工できるか?こいつは結構難しそう。この部分はパーツができれば実行することに。合体機構は形状を損なわずに分離が可能なものとしたい。羽目合いだけでは精度を出すのが難しい上に塗装の剥がれや摩耗によるクリアランス低下が懸念。そこでビデオから推測して合体時には2号機ノズル内に3号機のノズルが入るものとし、各ノズルの中心軸に穴を開けて真鍮線を差し込むことで保持をすることにしました。また実際に真鍮線を保持する部分は真鍮線の差し抜きによる摩耗を考慮しポリキャップを埋め込むことにしました。


 この製作の一番のポイントは如何に精度良く1号機と2、3号機との合体部分を作り込めるかにかかっている。現物合わせで少しずつパテ盛り、削りを繰り返す必要がありそう。そこで作業を少しでもやり易いようにするため2、3号機の合体部分を先に作り込むことにしました。しかし接合面は非常に荒れていて面が出ていない。そこでまず上面部と垂直になるように面出し。


 次にポリキャップを埋めるためにφ4の穴を20mmほどの深さまであけ、さらにノズルを埋め込むためにφ6で広げる。これは2号機の合体部。気泡の跡に紙ヤスリの削りカスが入って黒くなっている。いかに荒れた肌のキットであるかが分かる。


 空を飛ぶ物の模型は完成後のディスプレー方法を考えておく必要があります。シュピーゲル号には車輪という物は無いようだし、やはり斜め上を向いた状態が格好良い。スタンドの形状は後で考えることとして、スタンドにシュピーゲル号を置く方法を考えてみました。単純にY字型の腕を2本使うのが本体に手を加えないので楽だけど、今回は1号機の後部ノズルに穴を空け、そこに支持用の棒を差し込むような構造にすることに。
 まず直径6mmの穴を40mm程あけ、ポリキャップを埋め込みました。ポリキャップには4mmの真鍮棒を差し込むこととして、ノズル面までパテで埋めて固定。本来の設定は無いけど左右に補助ノズルを設置。円筒状に孔あけ後アルテコパテ埋めして、剥離材を塗布したノズルを押しあてて形状を出す。しかしアルテコの食いつきが良すぎるのか、剥離材の効果がないのかノズルが取れなくなってしまった。本当はノズルと本体の間に隙間を空けたかったが無理は禁物なので諦める事にしました(下記の二の舞になりたくなかったので(--);)。


 ぐわあ〜っ〜(゜゜)。翼が折れた〜。スタンド用の穴を空けていたときに固定が不十分で機体が回転し、翼が固定台に当たってしまったんです。要らぬ作業が増えてしまった(T_T)。機体は気泡跡を埋めるパテで迷彩模様。


 どうにか翼の修復完了。継ぎ目は面を少し削り、アルテコパテで埋めるようにして繋いぎました。実は当初エポキシ接着剤で張り合わせたが継ぎ目を平らにヤスリ掛けしているときに剥がれてしまったんです。そこで剥離材を物としない食いつきがあるアルテコパテの登場。キャノピーは塗装ではなく別パーツ化することにしたのでその部分を大胆に削りました。
 ところでこのキットはもしかするとプラモから型どりした物かも知れない。というのも1号機のコックピット後に胴体のふくらみがあるけど、これは本来のシュピーゲル号の設定にはないのです。他のガレキのシュピーゲル号にも見られない。ところが絶版となっているプラモには同じ物がある。製作の際に削り落としてしまおうかと思ったけど、形状のアクセントになるしエンジンを強化した際のふくらみであると解釈しても良さそうなのでそのまま残すことにしました。あと翼にはプラモのパーツを成型器から打ち出した時にできる跡のような物もあった。


 キャノピーには別の用事で使おうと思っていた透明アクリルの試験管の余りを流用することに。削りだし作業中は傷が付かないようにテープで養生。 しかし、このキットはなんという作業量だろう。自分で作業量を増やしているのも否めないが。。。何しろ気泡の対処が結構面倒。これが3機分だから一度にそれだけのガレキを作っていることになる。そして合体部分のクリアランス調整。うーん、目が回る(@_@)。




 今回の作業はまず垂直尾翼の追加。なぜかこのキットには省略されていたので0.5mm厚のプラ板を2枚重ねて張り合わせてから切り出しました。接着はアルテコパテで。それと主翼端にも垂直な翼があるけど、キットに表現されていたものは厚ぼったかったので加工の初期段階で削り落としていました。そこで垂直尾翼と同様にプラ板で再生。


 いよいよサフ掛け。ここまで来れば後は一気に仕上げられる!と期待したのもつかの間。サフ掛け後、補修したはずの気泡跡が次々に出現(@_@)。どうやら食い付きがよいレジン用のサーフェイサーがプラパテを溶かしてしまったみたい。それに覚えのないところにも穴が空いていると言うことは目に見えなかった気泡後がサーフェイサが表面を溶かしてしまったために穴となって出てきた感じ。まるでこのキットは秋吉台のようだ〜。しかしこれでは堪らない。今回出てきた穴を修正したら次はプラモ用のサーフェイサを使ってみよう。
 ところで上の写真でけがいたパネル状のものは垂直上昇用のノズルを格納する部分として設定しました。もともとシュピーゲル号には合体時の垂直上昇用ノズルが2号、3号機にそれぞれ一対あります。しかし分離時の垂直上昇に使用するノズルは例のビデオには収録されていないので不明。そこで1号機には胴体の主翼前方部に1つと垂直尾翼の裏側に一対設定することにしたのです。


 少しでも気泡跡の出現を抑えるため、プラモ用のサフを掛け終わったところ。そしていよいよ本塗装です。まず赤を吹き、マスキングして銀を吹きます。


 キャノピー内部は2席のシート、操縦桿を設置。また巨大スクリーンを前方におき未来感を出しました。色合いや艶などかなり問題を感じるけど、どう修正したらよいのかアイデアが浮かばないので、このままキャノピーを接着。


 なんとか1号機の完成!ふぅ〜


 引き続き2号機の加工。合体部分は既に加工してあるのでディテールの追加。まずやりたいのはキャノピーの製作です。1号機同様に透明パーツで作りたい。ちょうど手持ちに使えそうなものが見つかりました。こいつを切り出してやれば上手く行きそうと踏んで現物合わせでキャノピーの形状に切り出すことに。


 まずマスキングテープを貼ってキャノピーの形状を書き写します。


 形状確認のためにアルテコパテで型取りしました。キャノピー形状を転写したテープを貼り、型で曲面の具合を確認。


 大まかに切り出した後、ヤスリ掛けして形状を整えました。


 キャノピー内部を削り込む。安いリュータを使ったらぶれて回りが傷だらけに(;_;)。パテで埋めたけど結構悲惨な状態(--);。


 すでに合体部の加工は終わっているけど細かいクリアランス調整はヤスリ掛けしながらの作業が必要。そこで調整をやりやすいようにここでディスプレイ用のスタンドを作製することにしました。スタンドに1号機をセットし2号機、3号機をスタンド上で組むことで細かい調整を行いやすくし、さらに完成した1号機の傷防止を狙ったわけです。
 ベースには100円ショップで売られているまな板のようなものを利用。コーナー部に支柱用の穴を開け金属パイプを押し込み、この中に機体を支えるパイプを差し込むようにしました。


 ベースに粘土を載せ、月面風に凹凸をつけてみました。ジオラマ用の土を水で薄めた木工用ボンドで固定し、銀を混ぜた黒を吹きました。支柱はφ3の真鍮パイプを途中φ2のステンレス線で弧状に接続し、さらにφ4の真鍮パイプで支えてます。


 いよいよ最後の3号機の製作にはいります!これまでに2/3が終わったとなると少し気分が楽(^^。写真は3号機のコックピット部分。気泡が密集していて発泡ウレタン状態になっているのが分かるでしょうか。爪で押したら跡が残るほど柔らかい(--;。


 どうせコックピットを作り込むのでドリルでえぐってしまいました。壁になる部分をパテで再生。透明パーツはアクリルパイプから切り出しています。


 3号機もいよいよ塗装開始。サフ掛けした機体ってツルンツルンで、見ていると今までのパテ盛り&削りだしの苦労が報われます。実は模型を作っていて一番好きな時でもあります(^^。例によって全体を溶きパテで覆い、サフ掛けしました。2号機との接合面にある三角錐はφ5のプラ棒から削り出しました


 塗装は淡い色の黄色から吹き、ウルトラの赤を吹いて機体色を吹けば完成間近!


 まだディテールを作り込んでいないけど合体して記念撮影(^^。


 3号機もコックピットのディテールアップの時が来ました。しかし天井が付いていてパーツを入れ込むのが大変そう。どんなパーツを作ってどの様に入れるか本体を眺めながら考えていたら。。。。ガビ〜ン・・・・な、なんと机の上に落として天井が割れてしまった(T_T)。接着しても継ぎ目を消すのが大変そう。。。(--)
 しばらく呆然としたけど作業は進めなくては完成しない。むしろパーツを入れやすくなったと考え直してシートや操縦桿などを作り込みました。瞬着で接着して痕を#1500でヤスリ掛け。多少、痕が残ってしまったけど全塗装をやり直す気力はないので我慢(--);。


 塗装が終わり後は機体の番号入れとコート仕上げを残すのみ。しかしこのキットにはデカールは付属していない。ただデカールを作ってもコート剤との相性チェックが必要と聞くともし相性が悪かったときは振り出しに戻ってしまう。結局幸い各機体に数字1つだけなのでペイントすることにしました。まず画材屋さんで好みの字体のインレタを入手。これをマスキングテープに貼りデザインナイフで切り抜きます。設定ではプレーンなゴチックボールドのような感じですがスピード感を出すためにイタリックにしてみました。


 曲線部分は結構大変。いつもは刃先が直線デザインナイフ(11番)を使っていますが今回はオウムのくちばしの様な刃先(12番)を使いました。


 機体に切り出したマスキングテープを貼り周囲もビニール袋などでカバー。結果は。。。貼りが甘く赤がマスキングの下に回り込んでしまいました(T_T)。仕方なく面相筆でタッチアップ。そして仕上げコートはグンゼの艶有りスプレー。「シュ〜」と吹くと。。。「あれ?何か変!」。なんと赤や黄色に銀を重ね塗りしたところの銀色が溶けだして下の色がうっすらと浮き上がってきている〜(@_@)。コート剤を一度に厚く掛け過ぎたのか、モデラーズの塗料に対してグンゼのコート剤が強すぎるのか?でもここまできてやり直しはかえってひどい結果になることは間違いない。遠目には分からないので良しとして完成!(^^;


 完成したシュピーゲル号。